2006年07月24日

IT企業の収益性〜IT企業は特別に成長が早いか??

こんばんは。
今日は日経平均は小動きだったようですが、このブログでちょうど今取り上げているIT株が軒並み急落しました。

背景にはDellの決算下方修正や日経新聞で報じられたIT在庫の積みあがりの問題があるようです。

しかし、ここで根本的な疑問があります。

そもそもIT企業の収益性や成長力はほかの産業に比べてとびきり強いのでしょうか??

一般には収益性は売上高営業利益率、成長性はROEや売上高の伸びで表されます。

IT企業が飛びぬけたPERである理由は

@元手がかからない商売であるため、売上高営業利益率が高い

Aまだまだこれからの産業であるため売上高はどこまでも伸びていく

という二つの前提があるためだと考えられます。

しかし、考えてみればこの二つの前提はどちらも怪しいものです。
例えば@については、yahoo(US)、Google(US)は今期売上高のほぼ1割を研究開発費にあてています。
自動車や製薬会社よりは少ないですが、アパレルや分譲不動産よりははるかに多いです。
また肝心の売上高営業利益率やROEも

yahoo:マージン20%、ROE 15%、

google:マージン30%、ROE 23%

と、高いは高いのですが、他のセクターに比べて抜群というほどでもありません。

さらに上の二つの企業はアメリカでも最強クラスのIT企業です。
ITは先行者利益と規模の利益が働きやすい業界と言われています。
参入障壁が低いため、競争により年々企業が淘汰されていって、最後に残ったものが支配力を保つという構造です。

例えば日本の携帯コンテンツ配信会社はタケノコのように立ち並んで、そろいもそろって利益水準が年々下がっています。


この厳しい競争を勝ち抜いた最強クラスのIT企業ですら、激しい競争により並みの優良企業程度の数字しか出せていない、ということを教訓にすべきでしょう。

つまり大多数のIT企業は並みの優良企業にもなれない可能性が高いということです。

また売上高がどこまでも伸びていくという話も眉唾です。
難しい理論は抜きにして以下の問題を考えて見ます。

@日本の携帯電話の台数はこの先どこまで伸びる余地があるのでしょうか??

A携帯電話の値下げ合戦は起こらないのでしょうか??

B着メロや着うた、そんなに毎日ダウンロードしますでしょうか??
今より2倍、3倍とみんながダウンロードするんでしょうか??
その場合値下げ合戦は起こらないのでしょうか??

Cブランド服や自動車を現物を見ずに画像やオークションで購入する人がそんなにいるでしょうか??
どこまでも増えるでしょうか??

D売り上げと利益がほとんど金融事業だったりする会社は本当にIT企業と言えるんでしょうか??設立数年のIT企業にそんなに儲かる金融のノウハウがあったり、収益を稼ぐスペシャリストがいるんでしょうか??
ライブドアは本当に「きわめて悪質な例外中の例外」なんでしょうか??

EM&Aはそんなに儲かるものなんでしょうか??
 被買収企業がそこまで儲かっているならなぜ割安にまるごと買えるのでしょうか??
 ぜんぜんノウハウもない企業が突然買収して「シナジー効果」とやらはどこまで期待できるんでしょうか??

ちょっと考えるだけでもこんなに疑問がわいてきます。
こんな素人でも思いつくような疑問にアナリストはあまりきちんと答えてはくれません。
少なくともこれらの疑問を少しでも検証すればPER3桁でライブドア株を購入しなくてすんだと思われます。


まとめると、IT企業の収益性や成長力はかなりイメージ先行であり、数字や根拠の乏しいものであると言えると思います。
もし購入しようとしている株が下方修正や赤字を出していたら、「今年は成長のための準備期間」などと楽観視せず、慎重に考えてみることをお勧めします。

次回はIT企業への期待感の変化について考えてみたいと思います。
posted by たけ先生 at 19:44| Comment(1) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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