2006年10月20日

北朝鮮核実験の政治的影響

こんにちは。
少し間が空いてしまいました。

最近毎日のように色々な事件が起こるのでcatch upが大変ですね。
今日は前回の続きで北朝鮮核実験の政治的影響について考えてみます。

これまでのところ、株式市場は堅調ですし、実のところ世界はあまりこのニュースを重要視していないように思われます。

しかし北朝鮮核実験の真の問題点は別のところにあります。

それは核保有クラブによる核管理体制は果たして維持できるのかという点です。

現在のところまでアメリカも日本も中国も韓国も判で押したように「外交的解決」を主張しています。
しかし、北朝鮮に核放棄をさせない結果になる外交的解決は極めて問題です。イラク戦争のときアメリカは「大量破壊兵器開発の疑い」を口実に開戦しました。イラク戦争の是非はさておき、ひとまず世界の国家に「核保有はリスクを伴う」と思わせる効果はあったと思います。

しかし、北朝鮮による核保有を事実上認める、もしくは核放棄のために大幅な外交的譲歩をした場合、二つ大きな問題点があります。一つ目はイラク戦争の開戦の大義名分がやはりウソだった、というアメリカの欺瞞が広く認識されてしまうことです。
すなわちイラク戦争の開戦の真の理由は「イラクが地政学上、資源上アメリカにとって重要な国であり敵対的な政権を放置できなかった。」ということが明らかになります。

さらに問題なのはこの後です。
上のイラク戦争の話を逆に言えば、アメリカにとって重要な国、地域でない場合当該国家が核保有してもアメリカは武力行使というコストのかかるオプションを選択できない。ということになります。

要するに北朝鮮は資源もないし、どうでもいい国なので戦争までしたくはない、ということです。
つまり「アメリカにとって重要でなく、直接的な脅威でない国」にとっては「核は結局持ったもん勝ち!!」になるわけです。

アメリカは戦争という選択肢は取れないし、最悪核保有をカードにすればアメリカから外交的譲歩を引き出すことができるかもしれないので「核を持たないほうが損」ということになるわけです。

このシナリオは悪夢のようなシナリオです。
たとえばアメリカにとって北朝鮮は重要でなくとも日本や韓国にとっては重要です。もし中国が真剣に制裁を行わず、結局北朝鮮の核保有を国際社会が追認する形になれば、韓国や日本が核保有を宣言しても中国やアメリカは北朝鮮の核保有を止められなかった立場上強い主張はしにくいでしょう。

現に韓国では国民の8割が核武装に賛成しているそうです。また日本でも核武装について議論をしてはどうか、という発言が与党政治家から出ています。

左翼系市民団体の妄想とは異なり、日韓の核武装論は積年の悲願に向けた陰謀ではありません。現在の核不拡散体制が機能しないのであれば、「いやいやながら核武装せざるを得ない。」状況に日本、韓国が追い込まれることを危惧した発言と思われます。

核保有を望む日本人など誰もいませんが、しかし、アメリカも中国も結局北朝鮮の核武装を全く防げないことが明白になれば上記のシナリオは否定できません。
こうなれば次は台湾、ベトナム、タイ・・・と際限なく核保有が続くことになりかねません。

繰り返しになりますが現在の核不拡散体制は「新規の核保有を国際社会、特にアメリカが絶対に許さない」という抑止のもと成立しています。
皮肉にもアメリカが武力行使を選択肢から排除したことが際限のない核拡散と軍拡競争をもたらすリスクがあると思われます。

そしてマーケットは全くこのリスクを織り込んでいません。
NYから見れば北朝鮮など遠い国の物語なのでしょうが、上記のシナリオが実現してしまった場合のアジアへの悪影響は尋常なものではありません。

北朝鮮が核保有を公式に断念させられる形でこの問題が収束することを切に願っています。

上記のリスクを韓国市場が全く織り込んでいないと考え、POSCOは売却し、アメリカ株を購入しました。日本からは逃げられないので割安な日本株も買い増しましたがどうなるでしょうか。

売却銘柄:POSCO

新規購入銘柄:Anheuser Busch(BUD)Glaxosmithkline(GSK)

買い増し銘柄:フージャース、ステップ、蔵王産業
posted by たけ先生 at 17:56| Comment(6) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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