2006年12月03日

いわゆる「医師不足」と日本の医療費について

こんにちは。
今日はまた医療問題について書いてみようと思います。
株式投資から少しはなれていますが、トピックスでもありますし、どうかご容赦ください。

最近知ったのですが、yahooの国内カテゴリに「医師不足」という項目があるようです。それほど医師不足は話題になっているようです。

まずは国際比較です。

日本の人口当たりの医師数は、2000年のOECD(経済開発機構)データで加盟29ヶ国中26番目という低さです。人口10万人当たりの医師数は、

イタリア   4,10
フランス   3.29
ドイツ    3.26
スペイン   3.13
スウェーデン 3.04
アメリカ   2.21
日本     1.93

となっています。この数字は医療費のGDPに対する割合とも良く相関しています。

ところで、医師数の過剰、不足は一意には決められません。
医師数が過剰かどうかはどのようなサービスを患者さんが要求するかによります。
たとえば年収5000万(資産3億でもいいですが)以下の人は病院にかかれない世界なら、日本の医師はとっくに過剰です。

しかし、上記のデータから確実にいえるのは欧米並みの医療水準を国民が要求するのであれば医師数は絶対的に不足している可能性が高いということです。
しかし、現実には日本は世界一の長寿国であり、WHOの国際比較でも日本の医療は第1位に評価されています。

このことから以下の結論が導かれます。

日本は国際比較上、極めて安い医療費で世界有数の医療水準を維持してきた。

医師をたたけば視聴率がとれると考えるマスコミは決して評価してくれませんが、これは国際的に認められている事実です。
目立たない奇跡といってもいいかも知れません。
少なくとも、効率的で公平な医療の提供に関しては、日本は世界でもっとも成功していたわけです。

この陰には日本の病院勤務医や看護師の慢性的な過重労働があります。
世界中、一睡もできない当直の翌朝にまた医師が外来診療している先進国など有りません。
こうした勤務医の奴隷労働が日本の医療の奇跡を支えてきたのです。

そして、今医療現場で起こっていることは勤務医の燃え尽きです。
燃え尽きた勤務医が過酷な労働現場から逃げ出すことは即病院の診療が崩壊することを意味します。

これが「医師不足」の正体です。
財務省に言わせれば不足しているのは「ただ同然で過重労働し、決して燃え尽きず医療ミスを犯さない奴隷勤務医」なのでしょう。
マスコミは「赤ひげの志」という言葉で奴隷不足を批判します。

問題解決のためには勤務医の待遇向上が必要です。
病院の医師数を倍に増やせば、勤務医の労働条件は大幅に改善します。

しかし、医療費がかさむ、その一点で勤務医の待遇向上は否定され続けてきました。その結果医療崩壊が進行しています。

これに対してマスコミは「医師数は不足しているわけではない。若者が過酷な診療科や地方勤務を避けているのがいけない。」を批判していますが、次回はこの批判がいかに的外れであるかを書いていきたいと思います。
posted by たけ先生 at 18:37| Comment(3) | TrackBack(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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