まだジーコジャパンの敗戦が冷めやらぬ中、株価はまあちょっと戻してますね。
とはいえ、日経平均の年初来下落率は10%以上であり、高値からの下落率は18%にもなります。
マザースやジャスダックなど新興市場ははるかに悲惨でおおむねライブドアショックの前の半値水準といえると思います。
日経新聞に書いてあったデータですが、今年株式投資を始めた投資家の8割が含み損ないし確定損失を抱えているとか。
雑誌の株記事もあっという間に減ってますし、カリスマ株ブロガー(?)と呼ばれる人たちにもひところの勢いがありません。
投資家の中には
「やっぱり株は怖い。」との感想を持って退場してしまった方も多数いるかと思います。
しかし、こんなときだからこそジーコジャパンの敗戦の教訓を生かしたいところです。
すなわち投資における「戦略」と「戦術」の違いです。
たとえば私の場合は
「正当な根拠もなく割安に放置されている株があり、こういう株が見直されれば超過リターンを得られる」
「とはいえ、個々の銘柄の見直しには時間がかかるかもしれない。そのため国際分散投資によって個別銘柄リスクとカントリーリスクを下げる。」
「短期的には株価はさらに下落するかもしれない。したがって借金をしてまで短期の値上がりにはかけられないので信用取引はしない。」
という戦略を持って投資をしています。
これに対し、日々の株価の下げは戦術レベルの問題に過ぎません。
サッカーで言うと「あそこで手が届いていれば。」「2点目が決まっていたら。」「駒野のPKがとられていたら(中村の先取点はどうなるの?)」というレベルの話です。
少なくとも、私の(あるいはバリュー投資一般の)戦略では下げそれ自体は売り材料にはなりません。
下落中に株を売るのは業績の下方修正や粉飾決算などスキャンダルの発覚により、株価が割安でなくなった場合や、あまり好ましくないのでしょうがより割安な銘柄があらわれたときだけです。
そして企業の収益見通しや資産価値に変化がないのに、株価がどんどん下落しているならむしろ追加投資のチャンスなはずです。
実際、今年はじめにはほとんど日本株に買いたい銘柄がなかったのですが、今は買いたい銘柄がありすぎる位です。
下落は確かにつらいことです。
ですが、こういうときこそ最初に株を買った動機や戦略を思い起こすべきです。
平素から戦略をぶれずに徹底してきたチームが勝利するのと同様に、こういう局面を確かな戦略眼で生き延びられた投資家が将来高いリターンを得るのだと思います。