2006年11月16日

民間医療保険の問題点〜何が「無駄な医療」か??

こんにちは。

ここんとこほんと日本株は軟調ですね。
経済の先行き指標が暗くなりつつあるように思われるのに、日銀は利上げに固執しています。
マンション販売の急減を「売り渋り」と見れば資産価格上昇リスクを利上げで抑える、となるのでしょうが、「売れ残り」だった場合利上げは寒いでしょうね・・・。なにやら2001年のゼロ金利解除を思い出します。

前回の続きで医療問題に戻ります。
前回は医療を民間保険に任せた場合の問題点として「イチゴ摘み」を指摘しました。

今回は第2の問題点に言及します。
「民間保険会社による払い渋り、およびこれによる医療内容への干渉」です。

いうまでもなく保険会社のビジネスモデルの真髄は
「リスクの低い人になるべく多く保険料を払い込ませて、リスクが実現した場合はなるべく保険金を払わない」ことです。
日本で連発している不払いもこうして生じるわけです。

つまり医療に関していえば病気になったときに、支払いを抑えるべく金のかかる検査・治療を行わないよう病院に圧力をかけることが経営戦略上重要になります。

 民間医療保険先進国アメリカでは、保険会社は「受領した保険料に対する支払給付金の比率」を80%以内に抑えることが重要な経営目標になっています。

 この目標を達成できないと、アナリストや投資家はその保険会社の格付けを落とし、保険会社は資金調達に高いプレミアムを払わなければならなくなります。保険会社にとって医療機関での医療費抑制は至上命題です。

この結果、保険会社は医師の治療内容に大いに干渉していきます。

「なぜ急性肺炎で2日で退院できないのか。」

「なぜこのように高価な治療薬を使うのか。我々は保険金支払いを拒否する。」

「この免疫抑制剤を使う手術は許容できない。」・・・etc

と医師の下には毎日保険会社から電話がかかってくるそうです。

「医は仁術。治療方針は病状に応じて、お医者様が良心的に決定してくれる。」
日本では誰もが当然そう考えています。しかし、市場化した医療ではそんな甘い幻想を抱くことができるのは相応の負担をできる方だけ、となります。マーケットはそんな甘いヒューマニズムを許してはくれません。

この世界では「医師バッシング」すら無意味になるでしょう。なぜなら医学的必要性に応じた治療方針を決定する権利は多くの医師には与えられないからです。

また腕のいい医師であればあるほどこうした制約を嫌います。
したがって安い保険でカバーされる病院には一流の医師は残らなくなるでしょう。

こうして書くと「医師は金儲けのために無駄な検査や投薬をしている。市場化(もしくは政府が今進めている包括化)により医療のムダを省けるのではないか??」との疑問をもたれる方もいらっしゃると思います。

日経新聞や経済財政諮問会議の八代教授はくりかえしこうした主張をしています。

次回は少しそれるのですが「無駄な検査、無駄な投薬」について本当にそれが医学的に無駄なのかどうか考察してみたいと思います。
posted by たけ先生 at 17:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日銀の狙いはズバリ資産価格の抑制(なかんずく地価の抑制)そのものであると私は見ています。そう考えない限り、ほぼゼロインフレの現状で量的緩和解除や利上げを急ぐ理由がありません。残念ながら日銀は、いまだに羹に懲りて膾を吹いているようです。このことは、当然ながら日本経済の成長の大きな妨げとなるでしょう。従って、高齢化に伴い増加を続けるであろう医療費負担は、国民にとって大きな負担となるでしょう。この負担の回避を図ろうとすれば、何らかの意味での医療サービスの低下を甘受せざるを得ないでしょう。公的保険か民間保険かというのは、究極、この医療サービスの低下を国民全体が甘受するか経済的レベルに応じて甘受するかの違いに過ぎないと思います。
しかし、本来日本国民がこのような貧しい選択を強いられなければならない必然性などどこにもありません。資産価格の上昇を容認すれば、日本経済はもっと成長することができるし、福祉や年金、医療を充実させることができるのです。マスコミはこの事実をほとんど報道しようとしませんが、日本国民全体がもっとこの事実に目を向け、日銀に改善を迫っていかなければならないと思います。
Posted by dell at 2006年11月16日 21:27
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