2007年02月25日

フラット化する世界の影響〜安倍首相の苦悩

こんにちは。

今回は「フラット化する世界」の日本への影響と安倍首相の苦悩について考えてみたいと思います。

安倍政権の支持率低下が止まりません。
マスコミで批判される理由としていつも上がるのは「首相の歯切れが悪い。」「何がしたいかが見えない。」といったものです。

事実政権の方向性も迷走気味で、与党や閣僚も混乱しているように見えます。

マスコミはこうした問題をすべて安倍首相の個人的資質や目先の支持率低下に還元しがちですが、管理人は安倍政権の迷走はもっと根が深いのでは、と思っています。

なぜ安倍政権が確固とした方針を打ち出せないのか、という問題を考えるためには「そもそも安倍議員は首相になって日本をどのような国にしたかったのか。」を考えなければなりません。

もちろん管理人は首相の本心を完全には把握できません。
しかし、首相自身の言動や著書からはおおよそ以下のような首相の理想像が浮かび上がってきます。

・国民が「私」よりも「公」「国」という意識を強くもつべき。
教育も「公」の中の自分という位置づけを大切にして欲しい。
そのため、日の丸・君が代や国を愛する心を教育基本法に盛り込む。

・日本人が「私」の利益ばかり優先させるようになったのは戦後民主主義および日本国憲法が極端に「公」意識を拝したのが一因である。戦後60年にあたり、自主憲法を制定し、自衛隊を軍隊に格上げする

・独立国として毅然とした対応をし、同盟国や北朝鮮や韓国に対しても言うべきことはいう。

・国民が自国の伝統と文化を大切にしつつ故郷や国、家族、会社に対する愛と忠誠を持ち続け、誠実に働くことで社会が発展した「三丁目の夕日」的高度成長社会を今一度取り戻したい。

全体として、「公」意識、組織や家族を「個」に優先する国民による国家というイメージです。

なるほどいいことを言っているように思えます。こうした考え自体はまさに「保守本流」とでも言うべきもので、安倍首相だけでなく自民党の歴代政治家や指導者に広く共有されてきた理想です。またいわゆるネトウヨなどの若い愛国者にも共感を呼ぶ内容でもあります。安倍首相が自民党総裁選で幅広い支持を集めたのも納得がいきます。

ここからが問題です。安部首相の悲劇は「小泉改革の継承者」として首相に就任したことです。
「小泉改革」のキーワードはなんでしたしょう??

「官から民へ」
「聖域なき改革」
「規制緩和」
「民間でできることは民間で、地方でできることは地方で」

いずれも民間の創意工夫と市場主義に任せて、政府の関与を小さくしようというものです。

そのための政策として「構造改革」を断行しました。
その内容は

・派遣など労働法制の大幅規制緩和
・所得税の最高税率引き下げ
・投資の促進
・公共事業、社会保障、地方交付税など再配分機能を有する政府支出の削減、その総仕上げとしての道路公団民営化、郵政民営化

平たく言えば日本独特の規制や障壁を取っ払い、資本主義化を促進したわけです。
そして「フラット化する世界」に日本が対応し、これからも成長を続けるためにはこうした「改革」はやはり望ましいといえるでしょう。

ところがここに重要な問題があります。
資本主義化を進める「改革」を促進すればするほど、おそらく個々人の「私」意識は強くなり、安倍首相の望む「公」意識や国としての一体感、伝統への尊敬と社会の安定といったものは失われていく怖れがあるということです。

次回は資本主義化の促進と「美しい国」の緊張関係についてもう少し詳しく書いていきます。
posted by たけ先生 at 16:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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