2005年05月08日

エコノミストとストラテジスト

 かつては、今もいますが、エコノミストという職業が花形でした。GMやフォードなどの一流企業には必ずエコノミストが配属され、景気や消費動向の予測を行っていました。しかし、今現在あまりエコノミストという言葉は聞きません。なぜでしょうか??

答えは簡単。エコノミストの経済予測は全くあたらないからです。

これについては聞いたことがある方が大勢いると思います。
例えば、シカゴ大学教授のビクター・ザーノウィッツは、以下のような調査をしています。

〜1970年〜75年に経済が大きく変化した四つの期間の八つの四半期先までの実質国民総生産(GNP)成長率とインフレ率について、六つの主要経済予測期間(ビッグ・スリー、GE、商務省経済分析局、全米経済予測研究所)の予測がどれだけ外れているかを調べた。それによると、48件の予測のうち46件は景気の転換点を予測できていない〜。

48件中46件!!

他にも「周期的な景気循環を予測するのは不可能である。」
   「過去30年間エコノミストの予想精度は全く上昇していない。」
などエコノミストの予想の無意味さを実証する統計データは無数に存在するにもかかわらず、
エコノミストの予想が意味があったとのデータは、私が知る限りありません。

こうした無意味さがばれてしまったのか??80年代以降アメリカ大企業からエコノミストや経済調査部門は相次いで姿を消してしまいました。

また日本でも多くのエコノミストはバブル全盛期に日経平均50000円!とか日本の地価上昇は永続的なものである!との論理的な(?)予測を出していました。

そこでエコノミストは失業の危機を乗り越えるために、ストラテジストと名前を変えて、証券会社や投資会社などに就職しました。

ストラテジストとは、辞典によると
〜投資戦略を設計する「立案者」のことです。経済の動きから産業・企業の動向、需給要因まで、様々な視点から投資環境を分析し、投資方針を提供します。〜

てエコノミストと何が違うんだろう??要するに経済の動きを「分析」して将来動向を「予測」して投資方針を決めるんでしょうが、それが不可能なことは上記のデータから明らかです。要は名前を変えただけのような気がしますが・・。

高名なドイツ証券チーフストラテジストのM氏は02年からひたすら「日経平均は下がり続ける。」と主張しつづけて、03年の日経平均8000円局面で一躍カリスマストラテジスト扱いとなりました。しかし、その後の04年の上昇局面においても彼は一貫して「日経平均は下がり続ける。この上昇は一過性のものだ。」と主張しています。そして04年に彼が方針を転換し、「日経平均は12500円を目指す。」と主張したとたん、04年5月の日経平均下落が起こっています。

こうした予測精度の不確実さは個人的な問題ではなく、ほとんどすべてのエコノミスト(ないしストラテジスト)に共通のものです。それ自体は決して問題ではないのですが、問題なのは彼らの予想が市場にある程度の影響を与えていることです。このあたりが人間心理的なものですね。





posted by たけ先生 at 14:29| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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