2007年04月09日

バリュー投資再考〜成長への過大評価

こんにちは。

昨日の続きでバリュー投資について考えて見ます。

昨日の記事で、株式の価値は成長率、リスクフリーレート、投資家の期待リターンの3つからなり、PERはこの3つの変数、特に成長率に対する投資家の評価だと書きました。

したがって、高PER株は投資家が企業の高い成長を期待していることを意味します。このことは高PER株が別名「グロース株」と呼ばれることからも伺えると思います。

ところが、投資家というより人間には「モメンタムに対する根強い誤認知」が存在します。

つまり「勝ち組はずっと勝ち続け、負け組みはずっと負け続ける。」と誤解してしまうのです。

実はすべての企業のうち、市場平均を上回るROEを継続して5年間以上出せる企業などほとんどありません。多くの企業は無限の成長をするように見せながら、どこかで市場の平均成長率を下回ることになります。

ところが年率50%とかすごい割合で成長している企業をみると、多くの投資家(そして多くの経営者)はこうした高成長がしばらく続く、とついつい思い込んでしまいます。
したがってそうした高い成長率を織り込んだ株価、すなわち高PER株になるのですが、その企業が市場平均なみの成長率に回帰するだけでPERは下落し、結果として株価は下落します。

バリュー投資のデータを見てみると本当のところ、「低PER株のリターンがいい。」というより「高PER株のリターンが全体のリターンを押し下げている。」というほうが真実に近い気がします。
低PER株の高いリターンはごく少数の爆上げ銘柄に拠る割合が大きく、中央値は市場平均を下回る傾向があるという事実はこの説をある程度補強するように思います。

こうした高PER株の低いリターンは投資家心理の根強いバイアス、すなわち成長への過大評価がもたらしていると考えられます。
初心者は「急成長している高PER株を長期間保有しない」だけで少なくとも大敗は避けられますし、おそらく市場平均に負けないリターンをあげられるのではないかと思います。

次回は長期保有について考えてみたいと思います。
posted by たけ先生 at 23:17| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先生はじめまして。ここ2,3ヶ月ちょくちょく拝見させていただいております。先生の卓越したご意見、僭越ながら「う〜〜ん。一理も二理もあるなぁ」と思いながら拝見させていただいております。私の場合、かなりの分散投資状態になっておりまして、日本株45%、米国株、中国株が15%ずつ、外国債券で25%となっております。
海外向け投資に関しましては円安の恩恵もあり問題ないところですが、肝心の日本株が新興中心(7割方)のためさえず、ちょびちょび買い増ししています。
今年頭には底打ちかなという動きも見せていたものの世界同時株安以降やっぱり駄目です。
これから先の大きな不安要素がイマイチ思いつかないのですが、今の動きの原因と今後の予測どのように読まれますか?
Posted by ムゥ at 2007年04月16日 16:56
ムゥさん、こんにちは。
私もかなりの分散投資になっています。

新興株の不振ですが世界的に大型優良株主導で上昇しており、このところ小型株のパフォーマンスは悪いようです。

また日本の新興市場の場合手がけているのは個人投資家がほとんどなので彼らのマインドが戻りきっていないことおよび新興銘柄の多くを占めるIT企業の決算が悪く、全体を冷やしていることが原因と考えられます。

今後の予測ですが私は今年の日本景気には悲観的ですので、小型グロース株のリターンは今後も期待できないのではないかと危惧しています。
Posted by たけ先生 at 2007年04月18日 09:42
たけ先生。レスありがとうございます。
自分の投資方針があまり成長バリューを見ず(みる能力が無い!?)、ごく簡単に言うとPBR1倍割れを2年程度持つという方針であるため、やや納得いかない部分があるのですよね。今の持ち株はライブドアショック後に買い付けたものが大半の状態ですので、やはり各銘柄最初に決めた期間は我慢しようとは思います。
たけ先生の見解も考慮に入れて買い増しは気をつけないといけないですね。
Posted by ムゥ at 2007年04月18日 13:04
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