2007年08月15日

火がついたサブプライム問題A

こんばんは。
世界の株式市場はサブプライム問題に対する不安からか、またしても大幅に下落しました。
またここのところ株安になると円高になる傾向が引き続き、為替も円高方向に推移しています。
このためもあり、日本の個人投資家もここ数日打撃を受けている方が多いのではないかと思われます。私も打撃を受けております。(笑)

さて今回の急落の引き金となったサブプライム問題の先行きですが、以下の二つが焦点となります。

@実体経済面
・・・アメリカの住宅価格は長期にわたり下落してしまうか?

A信用面
・・・不良債権を抱えた金融機関が貸し渋りを行い必要な信用まで供与できなくなるか?

まず@についてですが、アメリカは日本と異なり住宅ローンには保証人制度がないそうです。
 住宅ローンの返済が行き詰った場合は割りとドライに競売にかけられるそうで、全米に競売物件がでているそうです。こう聞くと不安になりますが、日本のバブル崩壊時には金融機関がなかなか不良債権の担保資産を処分できず、土地を塩漬けにしたため信用収縮が長引きました。
 早め早めに貸し手と借り手が損失を確定するアメリカのスタイルは実体経済への影響という観点からはむしろ好印象です。
またこうした競売物件に買い手が結構ついているらしく、購入価格の6割程度で売買が成立しているようです。
繰り返しますが日本のバブル崩壊時は買い手が不在となり土地の流動性が枯渇したことで問題解決が遅れました。その点を考えるとアメリカの競売状況は比較的心強いとも思えます。

そもそもアメリカは人口が増え続けているので長期的な住宅需要は上向きであることが予測され、住宅価格が下落を続けるというのは予想しにくいと考えられます。アメリカの住宅価格もバリュエーション的にはバブル崩壊前の日本の地価高騰ほど上昇したわけではありません。

これらを考え合わせるとアメリカの住宅価格が単調に低下し続けるというのはかなり考えにくく、何年か待っていれば住宅市況は回復するのではないでしょうか??

ついでAについて考えてみます。
こちらもあまり心配はなさそうです。
現在世界中の金融機関やヘッジファンドにサブプライム関連の債権損失が飛び火していますが、逆に考えると損失が世界中に分散されており、特定の金融機関に集中しているわけではないとも言えます。
CitiやBank of Americaなどの金融機関が実質的な債務超過状態に陥るとか必要な信用供与を行えなくなるといったバブル崩壊後の日本で起きたような現象は相当に考えにくいと思われます。

仮にそのような信用収縮が起こりそうになった場合、FRBやアメリカ政府には打てる手は色々とあると思われます。
巷熱望されている利下げでもいいですし、ファニーメイによる追加貸し出しでもいいでしょう。
返済の滞っている個人を公的資金で借り換え促進させる手もありうるでしょう。
また現在「質への逃避」により株安→ドル、アメリカ長期国債上昇→アメリカ長期金利の急低下が起こっており利下げがなされない場合でも住宅ローン金利は今後落ち着きを取り戻すと思われます。

こうして考えると上記@Aともあまり心配はなく、サブプライム問題がアメリカの実体経済に及ぼす影響は限定的ではないかと思われます。
ただし、今回の問題によりMBOやLBO,PEファンドといったいわゆるオルタナティヴ投資に対して向けられる視線は非常に冷たくなったと思われます。今後オルタナティブ投資は資金調達の際にプレミアムの上乗せを要求され一気にマーケットが冷え込んでいくのではないかと思われます。

どっかで「投資ファンドは眠らない」みたいなコラムをみかけましたが、プレミアムの上昇により良くて冬眠、悪くて永眠みたいなファンドが続出することが予想されます。



posted by たけ先生 at 21:35| Comment(5) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
僕も、たけ先生のおっしゃる通り、
サブプライム問題自体はそれほど、
深刻では無いと思っています。

日本の銀行株は、かなり売られ過ぎだと
思っていますので、銀行ETFを
少し購入しました。
サブプライム問題が鎮火すれば、
リバウンドも大きそうですので。

バリュー株が、どんどん割安になっていますが、
現在の相場では、本当にバリューな株で無いと、
資金効率が悪いかもしれません。
今なら、海外ETF比率を上げるのも良いかな?
と考えています。

Posted by takashi at 2007年08月16日 14:22
こんばんわ

初めて訪問&コメントさせていただきます。
サブプライム問題については、どうも「アメリカは日本と違って大丈夫的」なことを言われることが多いですが、私の見解は異なります。

サブプライム自体はその一部(全体の残高の約1割)ですが、日米の住宅ローン残高を比較した場合、アメリカは日本のなんと6倍程度あるそうです。経済規模・人口の大きさの差を考慮しても、アメリカの個人の「借金漬け」の姿がこの数字からも見てとれます。

株価の下げに現れているとおり、やはり相当大きな経済面への影響も覚悟しておいた方が良いでしょう。
Posted by 成功者への道 Live with Passion! at 2007年08月16日 23:56
こんにちは。
僕は意見が違い、投資バブル崩壊の引き金になる可能性があると思います。

>損失が世界中に分散されており、
>特定の金融機関に集中しているわけで
>はないとも

ではライブドアショックはどうでしたでしょうか?
新興が割高だったため、新興全部やられましたよね?
損失を出したのは、ライブドアの株主だけでしょうか。今の過剰流動性縮小の引き金になると思います。
僕がマスコミを通さずに直接アメリカ人にインタビューした結果では、プライムローンや自動車ローンもじょじょに危なくなってきているそうです。

Posted by at 2007年08月19日 00:58
よく誤解されていることですが、過剰流動性というのは金利が低いことではなく、楽観そのものです。
ですので、今回のショックで円安やクレジットに対しての楽観視は吹き飛んだと思われ、過剰流動性はなくなっていくことでしょう。
そのこと自体はむしろいいことかもしれませんよ。
ライブドアショックについてはご指摘の通り「新興が割高だったため」リバウンドがきつかった部分が大きいと思います。
仮定の話ですが、あのときのJASDAQの平均PERが15倍だったら、ここまで下げがきつかったでしょうか??
逆に言うとあのときの日本の個人投資家の楽観がそれだけすさまじかったのでしょう。
今回のサブプライムショックもサブプライムの影響が一番すくなさそうな日本市場が一番下げているのは、日本株のPERが世界で一番高かったため、とも考えられないでしょうか?
(外人売りや円高など他の理由ももちろん考えられますが)

プライムローンや自動車ローンに関しても、結局のところ金利が下がるか担保価値が上がれば問題は解決すると思われるのですが、ご指摘のように一気にアメリカ景気を冷やすリスクもあると思います。

短期間の相場見通しは難しいですが、私はアメリカのブルーチップや香港の優良株が下げ続けたら買おうと思っています。

日本の新興に関しては日本内需の先行きが暗そうなので、あまり惹かれないというのが正直なところです。

05〜06年に株雑誌を賑わしていた退職金による消費盛り上がりや賃金の増加などばら色のシナリオはさっぱり実現していませんし、ライブドアショックも06年の決算で新興企業が上方修正を連発していたらまた全く違った結果になったと思います。


Posted by たけ先生 at 2007年08月19日 20:49
>>日米の住宅ローン残高を比較した場合、アメリカは日本のなんと6倍程度あるそうです

購買力平価で見たGDPが約3倍なので、実質的には日本の2倍と考えるべきでしょう。
2倍が多いか少ないかですが、当然高齢化が進んでいる日本と人口増加率や労働年齢、住宅を購買する年齢層の数も違うので、残高が日本の2倍程度というのはさほど違和感がない気もして、このあたりから考えても大丈夫そうな気がするのですが・・・?
Posted by たけ先生 at 2007年08月19日 20:57
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