2007年11月15日

増税しても税収は増えない〜財政再建の愚かしさ

こんにちは。

日本の財政、金融政策についてもう少し考えてみたいと思います。

韓国は一度「国家破産」し、IMF管理下におかれました。
その韓国は現在年率5%程度の高成長を達成しています。
バフェットなど欧米の投資家が韓国株をポジティブに評価しているのも有名です。

それに対して日本は「このままでは国が破綻する!」と15年言い続けて15年デフレと低成長に苦しんでいます。
95年、旧大蔵省は(いまよりずっと国債残高は少なかったのに)財政再建を理由に消費税を3%→5%に上昇させました。
そのときも社会保障費の増大が理由に挙げられたと思います。

その結果景気が破滅的に冷え込み、なんと税収は減少しました。
時の橋本政権は退陣に追い込まれ、後を継いだ小渕政権は景気対策として公共事業を乱発し、国債発行残高が急増しました。
つまり大蔵省は財政再建を目標にしながら、景気をクラッシュさせて結果的に財政を悪化させました。
今回もまた同じ過ちを繰り返そうとしています。

ひところ上げ潮派 対 増税派 あるいは竹中 対 与謝野論争と称されたものがありました。

いつのまにか「非現実的な高成長を前提とするべきではない。増税が不可欠だ。」という財務省の議論が優勢になっています。
「上げ潮派」などという呼称がすでにレッテル貼りです。

竹中元大臣や中川元幹事長が主張したのは名目3%程度の成長率です。
この程度の成長率は高成長でもなんでもなく、普通の成長です。

もっとはっきり言えば「痛みを伴う聖域のない構造改革」なんてしなくとも、普通の財政、金融政策を取ればこの程度の成長率は達成できます。

人口が減ってる日本ではそんなことはできない??
心配いりません。
日本は実質2%成長を達成してもなおデフレが継続しています。
このことは日本の潜在成長率が2%以上であることを強く示唆しています。


政府と日銀が余計なことさえしなければ、名目3%成長は十分可能です。
増税を伴わず社会保障を維持することは決して不可能ではありません。

次回はなぜ財務省や日銀が非合理な政策を取り続けるのか、国民に何ができるかを考えてみたいと思います。
posted by たけ先生 at 08:34| Comment(6) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本の潜在成長率が2%以上であるとの主張に強く同意します。潜在成長率の推計は実は難しく、いくつかの推計方法があるのですが、実質2%以上の成長率のもとでデフレが継続している事実により、日本の潜在成長率が1%台(日銀)、2%台(政府)との主張は棄却されると思います。おそらく日本の潜在成長率は3%台であり、ITや構造改革による生産性の向上を考えれば4%に達していたとしても個人的には驚きません。2%程度を適正なインフレ率と考えれば、日本の名目成長率は5%程度は確保できるはずであり、これ以下はむしろ異常な状態と認識すべきだと思います。従って、上げ潮派が前提とする名目3%の経済成長でさえ実はかなりの過少推計です。それ以下の成長(あるいはゼロ成長)を前提とする増税派の主張などは、増税による経済成長の抑制をまねき、きわめて有害です。
巷では、増税vs歳出削減の議論も盛んですが、どちらも実はナンセンスです。歳出削減は国家財政を悪化させる=国債残高のGDP比を上昇させることが見落とされています(歳出削減は国債残高だけでなく同額のGDPをも削減すること、分母のGDPは国債残高より小さいことに留意すれば、これは単純な算数の問題です)。
ともあれ、日本が実量相応の適正な経済成長を達成するためには、まともな金融政策が絶対の必要条件です。デフレ下で利下げでなく利上げをするようなことをまずやめさせなければなりません。バブルを起こさないためにバブルも起きないほどに景気を押さえつけるような金融政策をやめさせなければなりません。しかし、日本の政治はこの問題にどこまで踏み込めるのでしょうか・・・。
Posted by dell at 2007年11月15日 21:36
私は株式投資(特に個別銘柄)に、マクロ的視点は持ち込まないようにしているのですが、
見ないようにしても目に入ってしまうほど、日本の経済政策は酷いですね。
株式のブログなのに、株式のこと以上にマクロ経済を取り上げたくなる気持ちよくわかります。
Posted by ゆーき at 2007年11月19日 22:52
いやー、まったく仰るとおりですね。

しかし、与謝野、日銀、財務省が何故こんなことを主張するかは「彼らは某国のスパイでこれは経済テロだ」とか言うのでなければ「馬鹿だから」しか答えはないんじゃないでしょうか?
期待して次回を待ってます。
Posted by どうろすたー at 2007年11月19日 22:54
dellさん。レスありがとうございます。
我が意を得たりとしかいいようがありません。
5%成長ができれば日本の抱えている問題の大半は解決すると考えると悲しい限りです。

ゆーきさん。
私も(このブログも)バリュー投資がテーマだったんですが、ここまで政府に足を引っ張られると正直不満も言いたくなりますね・・・。

どうろすたーさん。
日本の好景気で得する国はあっても損する国はないですよね。
特に某国が「地上の楽園」を指しているのなら世論の軟化と援助拡大が期待できるので日本の好景気は大歓迎のはずです。
ほんとに北のスパイがいるなら全力で日本を好景気にしたいはずなので、逆説的ですが陰謀論は否定されると思います。
Posted by たけ先生 at 2007年11月20日 23:04
それは、たけ先生が自由陣営の考え方に染まっているから言えることなんじゃないですかね。共産主義者は平等に貧しくなろうと志向する人たちなので、自分たちが貧しくなろうとも豊かな国がもっと貧しくなるのであれば嬉しいんですよ。我が国の世論もそんな感じですけどね。

まぁ、陰謀云々はもちろん冗談です。与謝野はバカであるか、バカな世論を反映しているかのどちらかなんでしょう。
Posted by どうろすたー at 2007年11月21日 09:55
どうろすたーさん。

>共産主義者は平等に貧しくなろうと志向する人たちなので、自分たちが貧しくなろうとも豊かな国がもっと貧しくなるのであれば嬉しいんですよ。

→カンボジアのポルポトとかはほんとにそんな感じですね。しかし将軍様とその一族はどう見ても豊かな生活が大好きというかw 彼らは共産主義者というより王族に近いのでしょうね。
Posted by たけ先生 at 2007年11月21日 11:17
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