2006年09月18日

国債問題と税制

こんにちは。

国債問題はみなさんの意見が聞けて、私自身大変勉強になっています。
タイムリーにここのところ、円が急落しています。
日本の財務相がG7で円高誘導発言をしたとか、私はあまり日本が円高方向への口先介入をした記憶がないのですがそれだけ日本の成長率が悲観されているのでしょうか??

少し気になりますね。

みなさんの熱心なコメントがあったのですが、気になるものがありました。

「法人税と所得税をもっとあげて累進を強化しろ。」

というものです。

PALCOMさんのコメントにもありましたとおり、税制の話には社会主義対資本主義という永遠の命題があります。
確かにここ数年ジニ係数の上昇にも現れるとおり、日本の格差拡大は目に余るものがあります。
またコメントにもありましたとおり、年収100万円台で非正規雇用者が搾取されているという実感も多くの方が共有しているのではないかと思います。
しかし、個人的には現状の日本で所得税と法人税を課税強化するリスクはとても高いと思います。

その理由は法人税や所得税の税率を上げたところで、非正規雇用者の生活水準も上がらないし、かえってキャプタルフライトや大インフレを招く可能性があると考えるからです。

課税強化に関しては「金持ちや企業への懲罰」と考えるのか「金持ちや企業に応分に負担してもらって社会福祉や生活保護を重視する」と考えるのかという問題があります。

えてして日本の場合はタテマエが後者でホンネが前者だったりするように思います。
で後者が政策目的だった場合、所得税率や法人税率の上昇によりほんとうに税収が上昇しなければなりません。
(ここらへんは消費税と同じです。)
しかし、所得税を上昇させた場合、高額所得者は海外へ移住したりそうでなくても単純に前より収入に対するインセンティブがさがり、働かなくなり、結局歳入がそれほど伸びない可能性があります。これだけで国全体としては歳入だけでなく、消費、投資の観点から多くの富が失われることになります。

法人税の場合、事態はさらに深刻です。
キヤノンやトヨタが日本から本拠地を移してしまい、工場を海外にどんどん移転させてしまった場合の悪影響ははかりしれません。いろいろと問題のある非正規雇用すら失われてしまいます。
(現に中国企業の多くはケイマンなどタックスヘイブンを登記地にしています。)

「出て行きたいやつは出て行け!」というのは感情としてはわかるのですが、本当にそうなってしまうと大変です。旧社会主義国がベルリンの壁や38度線で国境を封鎖していたのもおそらくこれが一因と思われます。

前回までのまとめにあったように日本国債を担保しているのは結局日本への信用そのものです。
大企業と資産家が我先に移住してしまうような国はGDPや経済力の低下も避けられないでしょうし、そうなると結局国債破綻→ハイパーインフレは避けられません。
ちなみに不景気+インフレは死ぬほど低額所得者や生活保護者にはきついものです。なんとしてもこのシナリオは避けたいところです。

どうしても金持ちに対して応分の負担を、というのであればフローに課税する所得税、法人税よりストックに課税する相続税のほうが消費への悪影響も少なく、社会的正義にもかなうのでbetterだと思われます。
posted by たけ先生 at 19:51| Comment(32) | TrackBack(2) | 債権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月31日

国債問題最終回

こんにちは。
長く続いた国債問題もいよいよ?最終回です。

今回の衆院選でも中心議題となっている郵政民営化。
その根本にあるのは結局巨額の郵便貯金の使い道ですね。

現在この郵便貯金が国債をせっせこ買っているのですが、これから先どう転んでも郵便貯金は減っていきそうなので、そのうち国債を買えなくなってしまうかもしれません。

では、国債が売れ残るようになるといったいどうなるのでしょう??
まあ、色々な本は国家破綻とか騒いでいますが、別にそこまでいくとは限らない気がします。

ただここで重要なのは
日本国債と日本円はほとんど同じもの
だということです。
どちらも政府の信用を担保に政府(円は日銀ですが)が発行しています。
したがって、国債が売れ残って価格が低下していくと同じように円の価値が切り下がっていきます。


円の価値が切り下がるということは物価が上昇する、つまりインフレになる可能性が高いと考えられます。
オリジン弁当が2000円、コーラが200円の恐怖の世界が来るかもです。
また円の信用力が下がると為替も円安にふれるかもしれません。
(これはアメリカも財政赤字が深刻なんで微妙な気もしますが)

インフレは恐ろしいものです。物価が2倍になってしまえば、貯金の価値も半分ですたらーっ(汗)
いまちょうど報道ステーションで年金の話を自民党や民主党があーだこーだ言っていますが、
インフレになっちゃえば年金が4万円でも8万円でも大した差はないかもです。

残念ながらだれが政権を取っても郵便貯金の減少とそれに伴う国債価格暴落リスクは避けられそうにもありません。
とすれば、我々は株式とか外国株式、外貨(外貨預金よりMMFか外貨証拠金取引のほうが手数料や税金が安いのでいいです)など日本のインフレに強い資産にも資金を分散すべきだと考えられます。

長かった国債シリーズも今回で終わりです。
次回からはまた個別株の話に戻ります。
posted by たけ先生 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 債権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月25日

消費と国債A〜高齢化社会がもたらすもの

こんにちは。
ここんとこの株の大暴騰が今日は一服しました。
アメリカが下がったのと、原油が68ドル台まで上昇したのを受けての利食い売りが優勢になったようです。
このため多くの銘柄が下落しましたが、なぜか自動車など輸出株は堅調で、ここ数日市場を牽引してきた内需株が軟調だったようです。

ところで、前回のブログでも書きましたが、ここんところ消費が堅調である事を示す指標がたくさんでていたことが、内需株堅調の一因かと思われます。
やったー、ついに日本も景気回復だーグッド(上向き矢印)と私も喜んだんですが、どうも不吉なデータを発見しましたので、考察してみます。

それは日本における貯蓄率の低下です。
かって世界一の貯蓄率を誇った日本。

貯蓄/可処分所得(要するに税引き後の所得のようなイメージです。)を意味する家計貯蓄率は年々下がりつづけています。

1975年には23%だったのに対し、2002年にはたった6.2%にまで低下しています。
年間可処分所得を400万とすると、75年の家庭は毎年100万円貯蓄したのに対し、2002年の家庭は年間24万円しか貯金できていないことになります。

どうしてこのようなことになってしまったのでしょう??
その原因についてはこんな考察がなされています。

難しいので簡単にまとめると
・高齢者世帯が増えて、収入が減り、可処分所得が減った、
・金利が低かったので、銀行預金に全く利子がつかず、高齢者が資産を取り崩した
ことが貯蓄低下の主因とされています。

それを受けてか1400兆円を誇る個人金融資産も株高の恩恵を被って辛うじて横ばいできているものの、じわじわ低下傾向にあるようです。
また、小泉政権発足以来世帯間の金融資産の二極化も進んでいるようです。

かいつまんでいうと
・日本人はリスク資産を敬遠しがちな為、少ない金融資産で株のウエイトを大きくする人は少ない。
 (私は例外的になけなしの資産をフルインベストメントに近くしてしまっていますたらーっ(汗)
・株式で金融資産を多くもてる人はいきおい、お金持ちが多い。
・金持ちは株式などに投資できる余裕があるため、株価上昇の恩恵を受けたりしてますます金融資産が増える
・一方、給料が全然上がらん上に、低金利が続いている為、70%以上の人は貯金が減りつづけているたらーっ(汗)

ようです。
この辺は野党が小泉首相をよく批判するところですね。
当ブログは全然こうした政権批判に迎合する気はないのですが、こうした傾向は困った問題をもたらします。

それは膨れつづける国債をどう消化するかという問題です。

次回は貯蓄率の低下と国債の展望でも書いて、おいおいそれがマーケットにどういう影響を及ぼすか考えてみたいと思います。
posted by たけ先生 at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 債権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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